ブスィー村
ブスィー村はありふれた建物が並ぶ現実世界の田舎の小さな村だ。村は森と丘に囲まれ、それが穏やかで情緒溢れた雰囲気を醸し出している。雨が降ると森とその周辺はぬかるみ、谷間にある小川は泥沼と化してともするとはまり込んでしまう。保護された環境の中で多種の動物層が狼のような偉大な捕食動物と共生しているというのも興味深い事実だ。
エレナの物語のブスィー村の建物に関しては、中学校とエレナの家の2つの建物が特に注目される。ブスィー中学校は20世紀初頭に建てられた古い建物で村から少し離れた場所に建っており、大きな長方形の校舎、校庭の屋根つき部分、警備員室、倉庫で構成されている。四階建ての校舎は陰鬱な灰色をしており授業はどれも似たり寄ったりであまり変わりばえがしない。内気で控えめなエレナは特に勉強熱心ではないが、休まずに登校している。
一方カンタ家は高い建物で近くで見ると多少傷んでいる。それは絶対完全の秩序よりも家が自然との調和の一環であることが好ましいという住む人の想いを象徴している。村はずれの森のそばに建つ家の内部は暗く実用的で、芸術的な創作活動に欠かせない集中しやすい雰囲気になっている。エレナの寝室は2階にあり、素朴で子供っぽいデザインに塗り替えられた古い家具が置いてある。一方、隣の部屋にはエレナのピアノがあり、窓から差し込む光が譜面に影を落とさずに肩越しに直接譜面を照らすような位置に置かれている。絨毯、控えめな装飾、地味な色の布で覆われた壁、窓に掛かっているカーテン、ピアノの譜面台に向けられた照明など全てが最高に集中出来るようデザインされている。エレナは音楽に浸るためにこの隠れ家に戻ってくるのだ。
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